緑沙句会掲示板
12月(第46回)兼題です - 径
2024/11/20 (Wed) 21:04:06
「クリスマス」でお願いします。
降誕祭・生誕祭・聖夜・聖樹・聖菓など副題がたくさんあります。
アメリカではもうクリスマス商戦が始まっているんでしょうね。
例句
傷林檎厩舎に届くクリスマス 斎藤節子
病棟に聖樹小さき灯を点す 稲垣一雄
紙皿を買ひ足しにゆく聖夜かな 金子 敦
しんがりの羊はわが子聖夜劇 松崎 幹
聖夜更く地はいくさ無き灯にあふれ 松本幹雄
まだ積もるけはひホワイトクリスマス 木内怜子
投句は兼題+雑詠で3~5句。
12/15までに径宛てメールでお送りください。
10月・11月の兼題です - 径
2024/11/12 (Tue) 18:26:29
10月(第44回)兼題
「秋草」でお願いします。
特定の草ではなく、野山にあるもろもろの草の総称です。
秋の草・千草・八千草などとも使います。
例句
五重塔裾に華やぐ千草かな 横田寿賀子
夕風や束ねて軽き秋の草 小泉万里子
秋の草活けて山路にある思ひ 岩井京子
秋草にかくれて長き無人駅 能勢京子
秋草を活けて机上に風生れ 鷹羽狩行
11月(第45回)兼題
「大根」でお願いします。
一年中出回っている野菜ですが、冬には一段とおいしくなりますね。
もちろんアメリカでも売ってますよね。
例句
大根買ふ輪切りにすると決めてをり 波多野爽波
煮ふくめし大根に箸の穴二つ 山本美沙
大根畑田舎暮しの夢ここに 宮本幸子
しあはせの来るかに大根刻む音 松下美鳥
ニューヨークに刻む大根膾かな 藤谷令子
投句は10月・11月合わせて6~10句。
2回分なので締め切りは設けません。
10月と11月、別々の日でも一緒の投句でも結構です。
第43回 津高先生の添削です - 径
2024/09/23 (Mon) 20:37:00
水澄みてなまず泳ぐや川の底 邑香
ナマズは夏の季語なので、ちょっと、俳句にはしにくいです。季語が重なっても許されるのは、同じ季節の季語どうし、の場合。
異なる季節の季語は、避けて作るように、心がけてください。
現実に見た風景かもしれませんが、そういうふうに制限して俳句を作るのが、文学というものなんです。なんでもあり、なんでもいいのなら、何もわざわざ俳句にしなくてもいいわけですから。
水澄みて垂れる稲穂とゆうげ菜 邑香
馬肉を買いに行かれたというほうが、ずっと面白いと思いました。自分の行動を句にするほうがいいかも。
例えば
ちちははに馬肉買はむと水澄めり
水澄みて玄関先に棲むカエル 邑香
カエルも春の季語なので、ちょっとマズイ。
壁の色して台風の溜まり水
みたいな感じのほうが独創的ですよ。
◯水澄みて犬ものぞくや川の中 邑香
◯水澄みて京への旅の予定組み 邑香
→水澄むや
◯ゆつくりと野鯉反転水澄めり 径
おもむろに鯉ひるがへる秋思かな
でもいいかな、私なら。
水澄むや神なる山のけざやかに 径
ちょっと、つきすぎかもしれませんね。
◯水澄むや草のあはひの反射光 径
秋澄むや、でもいいかもね。
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津高先生、ありがとうございました。
10月句会(第44回)兼題です - 径
2024/09/20 (Fri) 20:28:04
「秋草」でお願いします。
特定の草ではなく、野山にあるもろもろの草の総称です。
秋の草・千草・八千草などとも使います。
例句
五重塔裾に華やぐ千草かな 横田寿賀子
夕風や束ねて軽き秋の草 小泉万里子
秋の草活けて山路にある思ひ 岩井京子
秋草にかくれて長き無人駅 能勢京子
秋草を活けて机上に風生れ 鷹羽狩行
投句は兼題+雑詠で3~5句。
10/15までに径宛てメールでお送りください。
第41回津高先生の添削です - 径
2024/08/28 (Wed) 20:36:06
お出かけ前のお忙しい中を津高先生が添削をしてくださいました。
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向日葵の種待つ小鳥首傾げ 邑香
向日葵はやはり咲いていないと季語にはなりにくいかも。
燦爛と向日葵群の笑い顔 邑香
◎燦爛や向日葵群の笑ひ顔
向日葵の殻散乱す遠い道 邑香
向日葵の殻の散らばる熱砂かな
熱砂、で、なんとなく季語っていう感じになります?
△向日葵の花に色つけ墓参り
墓参り、は、お盆のときの墓参りのことをいうので、八月、つまり初秋の季語になります。
△向日葵に星条旗添え墓参り
これも、墓参り、にしたらオッケーです
日の重さ受け止めて立つ大向日葵 径
向日葵の種に触れたるちさき指 径
ミニ向日葵植ゑ軽やかな風を呼ぶ 径
軽やかな風、でもいいですし、
明るき風でもいいかも、
ミニ向日葵植ゑて明るき風を呼ぶ
または、丈小さき向日葵に風かろきかな
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津高先生、ありがとうございました。
第42回 津高先生の添削です - 径
2024/08/27 (Tue) 14:48:17
1、 こだわりし豪華絢爛氷菓とけ 邑香 →
こだわりの としてください。「し」は過去形なので
△2、こだわりのやっと見つけし氷菓待つ 邑香→
こだわりの店に待つ待つ氷菓かな
山中に山のかたちの氷菓待つ
山道にポツンとあるかき氷有名店をやっと見つけ長い順番をまっている
〇3、黒髪の後ろ姿や氷菓待つ 邑香
列に並んでいるお嬢さんたちは暑いのに皆髪を纏めもせず、長くのばしたままかき氷店の列に並んでいました。
→黒髪の風に吹かれて氷菓待つ
4、氷菓待つ樹海の店の列長蛇 邑香
そんなにおいしいんですか?私も行ってみたくなりますね。
→こだわりの氷菓樹海の中の店 これは2,の内容と合わせた感じ
5、氷菓売る人から滝の汗流れ 邑香
涼しいはずの氷菓ですが売る方は汗だくでした。
汗と氷菓はどちらも季語なので、
汗かいて注文こなす人気店 ぐらいしか、俳句では詠めないかも
〇ひと匙ごとはしやぐをさなのかき氷 径
ひと匙ごと色変はりゆくかき氷
ウオーキングの褒美の氷菓持て余す 径
ウオーキングあとの氷菓も競ひ食ひ とか、そんな感じでも面白いかも。
〇かき氷みなこだはりの崩し方 径
崩し方みなこだはつて掻き氷 の順のほうがいいかも
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津高先生、ありがとうございました。
なお、先生はしばらくお出かけの予定ということで、7月分はお帰りになってからになります。
9月句会(第43回)兼題です - 径
2024/08/25 (Sun) 20:46:24
「水澄む」でお願いします。
まだまだ残暑は続きそうですが、空や水の色は確実に変わってきています。
身の回りの水の様子を観察して詠みましょう。
例句
万葉の世より湧く水澄みにけり 石川敬子
流るるを忘るるまでに水澄めり 鷹羽狩行
つくばひに知足と刻し水澄めり 大畠政子
立枯の木々を映して水澄めり 矢崎暉文
幾たびも星を映して水澄めり 神蔵器
投句は兼題+雑詠で計3~5句。
9/15までに径宛てメールでお送りください。
8月句会(第42回)兼題です - 径
2024/07/22 (Mon) 20:47:07
「氷菓」でお願いします。
8月7日は立秋ですが、暑さはこれからが本番です。
アイスキャンディーが代表的なものですが、
今は実に様々な冷たいスウィーツがありますね。
ソフトクリームとかシャーベットとかかき氷も含めましょう。
例句
氷菓手に屯ろ歩行者天国に 森口慶子
少女らへ満艦飾の氷菓来る 平松美知子
眼をあげる度に海あり掻氷 国樹かほる
ソフトクリーム舐めて見てゐる地獄絵図 奥村せいち
ソフトクリームつかの間を父持たさるる 服部早苗
投句は兼題+雑詠で計3~5句。
8/15までに径あてメールでお送りください。
津高先生より6月分の添削です - 径
2024/07/19 (Fri) 20:46:03
剪定の松の枝通る青嵐 邑香
剪定、は春の季語なんです。
→青嵐松の美しき枝を(はしきえを、と読みます)通りけり
青嵐皆風下へ傾けり 邑香
わかるようなわからないような?何が傾いているのかしら?
砂漠道回転草に青嵐 邑香
砂漠に吹く風は、青嵐とはいえないと思います。
緑の木々があっての青嵐ですから。
→ タングルウィード転がる砂塵炎天下
でも、光景としてはダイナミックですね。
◯青嵐裏戸の緩み鳴らしゆく 邑香
△猛進の友は亥年や青嵐 邑香
◯校庭の声巻きあげて青嵐 径
青嵐土蔵の小窓あけ放ち 径
もう少し、激しくない風のほうが、小窓が効くかもしれませんね。
◯草原を奔馬のごとく青嵐 径
とりあえず、六月の分です。
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津高先生、ありがとうございました。
7月句会(第41回)兼題です - 径
2024/06/26 (Wed) 21:05:03
「向日葵・ひまわり」でお願いします。
アメリカでも庭で咲かせたりしますか。
ウクライナのように広大な畑があるのでしょうか。
例句
どの庭も向日葵太し田舎町 小林綾子
向日葵や光背うせし飛鳥仏 西本一都
向日葵の一茎一花咲きとほす 津田清子
ひまはりの百万本の笑ひ声 石井匡巳
花閉づる術なく雨の大向日葵 猿橋統流子
投句は兼題+雑詠で計3~5句。
7/15までに径宛てメールでお送りください。
4月句会津高先生の添削です - 径
2024/05/30 (Thu) 20:46:50
霞立ちコーヒースタンド探す街 邑香
霞が立ってちょっと寒くなるという感じなんでしょうが、「霞」という季語の持つイメージに、うすら寒い、というイメージはなくて、どちらかというと、ぼーっと、やわらかい空気がただよっていて、あたたかい感じなんです。
なので、霞、という季語ではなくて、春寒し、という季語のほうがピッタリだと思います。
春寒しコーヒースタンド探す街
◯幼子が霞の味を問う日かな 邑香
幼子に霞の味を問はれけり
ただし、この句は、目の前に霞の景色がひろがっているがどうか、が、よくわからないんですが。
だから、
漂へる霞の味を問ふ子かな
としたらいいかも。
遠霞浮世を離れぽわんとす 邑香
松聳え浮世につづく遠霞
松という動かないものをこの景色に登場させたほうが、霞のただよう感じがより、強調されると思います。
ぽわんとす、というふうに全てを言っちゃわないほうが余韻が残ります。
◯夕霞高野に響く読経や 邑
どきょう、とも読めるので、
夕霞高野にひびく読経かな、でいいと思います。
◯夕霞樹海の息と鳥の声 邑香
鳥声に樹海息づく夕霞
〇ヘリコプター霞かき混ぜ飛び交へり 径
霞の中を飛び交へり、
ぐらいで押さえておいたほうがいいかも。
峡の村十戸余りへ夕霞 径
飯田龍太の俳句の世界ですね。
ちょっと、類想があるかも。
◯管制塔へ波たひらかに沖霞 径
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津高先生、ありがとうございました。
津高先生の添削です - 径
2024/05/29 (Wed) 22:18:15
◯朝日浴ぶ茶の幼木に篩の土 碧沙
季語がないけれど、季節感があります。
朝日、のところを、夏日浴ぶ、とすれば完璧なのではないでしょうか?
碧沙さん、少しずつ、俳句の世界へ復帰してくださいね。 お待ちしています!
訪れの新茶のみほし夜目さえて 邑香
夜、お茶のせい?で眠られなくなってしまったわけですね。気持ちはわかりますが、たぶん、新茶でなくても濃いお茶だったから、であって、新茶に限定できないのでは?と、思いました。
眠れずもよし新茶を飲み干せば
みたいに、一夜ぐらいは新茶飲めたんだから、ねむれなくてもいいわ、と、肯定的に詠んでほしいです。
◯お茶碗の毛茸(もうじ)嬉しや新茶かな 邑香
うれしき、にしましょう。切れ字のや、と、かな、が二つとも入ってしまってますので。
◯丁寧に最後一滴待つ新茶 邑香
このままでもいいですが、中七、つひの(終の)一滴、としてもいいですね。
△生きること新茶と共に愛でる日や 邑香
愛でる、が、よくわかりません。しみじみと思うという意味でしょうか?
生きること新茶とともに味わひぬ
緑翠色の新茶の色の潔さ 邑香
緑翠の、で上五はいいのでは?
緑翠の色の新茶ぞ潔し
◯仏壇の新茶の湯気のゆらめけり 径
仏壇に湯気のゆらめく新茶かな、としてもいいですね。
◯とつておきの夫婦湯呑へ注ぐ新茶 径
新茶注ぐ夫婦湯呑のとつておき
◯ささやかなぜいたく新茶ひと袋 径
ちょっと、この句のような句を、もうすでに誰かが作って
あるかもしれません。ひと袋、というところがよいとおもうんですが。新茶もピンキリみたいなので、すごーく高価な新茶を買った、というのでもいいですね。
ひそやかなぜいたく高価な新茶買ひ
ご主人にも、値段が言えないほどの新茶をもちろん、ひと袋だけ買ったという感じではいかがでしょうか?
ぜいたくに過ごす新茶となりにけり
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津高先生、ありがとうございました。
なお、4月分の添削が抜けていますが、
改めて先生にお願いしてあります。
届き次第、投稿します。
6月句会(第40回)兼題です - 径
2024/05/24 (Fri) 22:26:16
「青嵐」でお願いします。
万緑を揺るがして吹くやや強い風です。
「風青し」とも使います。
例句
紀の川を吹きてくもらす青嵐 右城暮石
濃き墨のかはきやすさよ青嵐 橋本多佳子
青嵐ひとかたまりに羊の子 藤 志津子
妻といふ翼ひらけば青嵐 大高 翔
大海のごとき阿蘇野や青嵐 松崎 佐
投句は兼題+雑詠で計3~5句。
6/15までに径あてメールでお送りください。
5月句会(第39回)兼題です - 径
2024/04/24 (Wed) 15:17:23
「新茶」でお願いします。
走り茶・古茶などの傍題もあります。
例句
新茶汲む齢けふより母を越す 大熊虚阿
子に送る新茶を妻の惜気なく 野川枯木
走り茶の針のこぼれの二三本 石田勝彦
新茶汲む日本平に富士を見て 小林春水
茶柱のたちて新茶のうすみどり 森田敏子
投句は兼題+雑詠で計3~5句。
5/15までに径あてメールでお送りください。
津高先生の添削です - 径
2024/03/23 (Sat) 20:55:51
今回は、選句をしないで、添削、または助言をさせていただきます。
まずは、
私の句
地虫出づちひさな文字にルビ振れば 里永子
啓蟄の雨に滲みて見積書 里永子
もの食べて臍が痒いぞ木の芽どき 里永子
疾走の馬を光らす木の芽雨 里永子
では。
1、冬蘭の球根の間に地虫出ず 邑香
邑香さま
地虫出づ、でないと✖️
出ず、では、出ない、という意味です。ね!
地虫出づ、のほうが主で、蘭のほうはあまり、冬の蘭だとかなんだかんだと説明しないほうがいいです。情報は少なくていいのです。
まずは、密集の球根掘れば地虫出づ
→掘れば、も要りません。掘ったから地虫の存在を知ったんですから。
なので、次の段階に格上げさせましょう。
→密集の球根白し地虫出づ
2、雨上がりプールの底に地虫あり 邑香
これは蚯蚓(みみず)とはっきり言いましょう。地虫は、地に出てくるわけですから、地虫ではないわよ、と言われてしまいます。
プールだってことも言わなくていいと思います。プールは夏の季語ですから。季語が二つになりますので。たとえば、
水溜り失せて蚯蚓の死が浮かぶ
◯3、地虫出づ大雨の夜床の上 邑香
ゲジゲジとムカデ(百足虫)は似ているようで違うようですが、ゴキブリとか食べてくれるらしいので益虫だそうですよ。。家の中に住んでいる!のなら、ムカテだそうです。夏の季語です。
百足虫出づ大雨の夜の床の上
夜は「よ」と読ませたほうが詩的です。
4、地虫出ず鳥の目光り連れ去りぬ 邑香
これは、どちらかというと、鳥が主役ですね。
鳥の恋、という春の季語があります。電子辞書もいいですが、やはり、紙の歳時記はあったほうがいいですよ。
鳥の恋虫を啄むこともして
◯5、丸々と太りもぞもぞ地虫出づ 邑香
ちょっと語順をかえました。
◯地虫出づ地蔵の膝に日の満ちて 径
地虫出づ地蔵の膝の日に満ちて、でもいいですね。
◯川岸を嗅ぎゆく犬や地虫出づ 径
啓蟄の犬川岸を嗅ぎゆけり
と、犬を少し、偉そうに持ち上げて詠んでも面白いかしら?
地虫穴を出で新調のスニーカー 径
スニーカーって新しいときは汚したくないですよね。
スニーカー汚さず地虫穴を出づ
++++++++++++++++++++++++++++++
津高先生、ありがとうございました。
4月句会(第38回)兼題です - 径
2024/03/21 (Thu) 21:10:34
37回句会の清記前ですが、都合により
38回句会の兼題を先に発表します。
「霞・かすみ」でお願いします。
歳時記の「霞」の副題にある夕霞・遠霞・薄霞などすべて含みます。
例句
大阿蘇の霞の端に遊びけり 藤崎久を
霞む海電車一駅づつ停る 小野恵美子
杉育て関東平野かすむなり 城取信平
出でゆくはやがて霞に入る舟ぞ 近藤良郷
望遠鏡ぐるりと回す遠霞 小川晴子
投句は兼題+雑詠で計3~5句。
4/15までに径宛てメールでお送りください。
第36回披講です - 径
2024/02/26 (Mon) 20:32:03
選句締切前ですが、津高先生からの大切なお知らせがあるので披講します。
よく読んでください。
############################
☆ 歳時記、を持っていないのでしたら、至急、買ってください
来月までに歳時記が手元にあるのかないのか、佐藤さんのところへ投句するときに、どういう歳時記をお持ちなのか、書き添えてください。
歳時記を見ないで俳句をつくることはルール違反です。
季が重なっている句は来月までぐらいなら、注意をしますが、それ以後はなにもメッセージを送りません。ノーコメントでお返しします。
季語が重なっていることを承知の上で作られたときは、この句は季語が重なっています、というひとことを、句の最後に書き添えてお出しください。
それから、出しっぱなしの句、になっていますので、来月からは、1句1句に簡単な「句の背景」を書いて、お送りください。
〇01 磯の香やまったりゆるく春たちぬ 邑香
まったりゆるく春が来た、としたほうがいいと思います。
磯の香やまつたりゆるく春は来ぬ
*豊後丘 径
02 うららやか白き儒艮(ジュコン)の縫ひぐるみ 里永子
*径 邑香
03 枯色を輝かせ春立ちにけり 径
→枯、は冬の季語に感じてしまいます。とくに冒頭に 枯色 とあるので、なおさらです。春立つが春の季語なので、季節をまたがった季重なりになります。
冬なら冬の季重なり、というように、同じ季節の季重なりの句なら、まだ許せます。 春立つが春の季語、春待つなら冬の季語なので、
枯色に輝かせ春待ちにけり
としておきましょうか。
〇04 小鳥鳴き花の香ふわり春たちぬ 邑香
春らしさはでていると思いました。
*豊後丘
05 窓辺からカスケードの雪春立ちぬ 豊後丘
雪は冬の季語、春立つは前述したように、春の季語なので、この季重なりも、せめて、同じ季節のものにしてください。
残り雪、という言葉は、春の季語です。例えば、
残雪のカスケードに日のやはらかき
06 ビル街に窒息気味の春休み 里永子
*邑香
07 春の雨肌寒し夜人恋し 邑香
肌寒 というのは秋の季語です。春の雨というのはそんな感じですよね。
例 春の雨しとしとと人恋しき夜
*豊後丘
08 立春の深き雪散るスキー場 豊後丘
春スキーという季語があるので、これは春のスキー場とすればいいですね。 立春の深き雪散る、というところがよくわかりませんでした。積もっていた雪が散っていくのでしょうか?
例 くぼむところくぼみて春のスキー場
*径
09 引き継ぎの書類積み上げ春立ちぬ 里永子
*豊後丘
⦿10 喉元へ伸ばす乳液春立ちぬ 径
これはよくわかります。春になるとちょっと首筋も目立つような服になってきますよね。
*豊後丘 邑香
⦿11 立春は牛の出産大繁盛 豊後丘
例 春立ちて牛の出産つぎつぎと
*径
△12 豆煎て鬼面の龍女まつ窓 邑香
辰年の女の人が鬼なんですね。ちょっと、いろいろ材料が入り過ぎかも
豆煎つて待つや鬼面の辰をんな
13 分岐路の伸びやかに山笑ひけり 里永子
*径 邑香
◯14 立春の雨のしづかに染む田の面 径
雨が静かに沁み込むというところがいいと思います。
*邑香
15 立春やテーブルの豆見つけ朝 邑香
わかるんですが、
豆撒きの昨夜(よべ)の豆あり卓の上
と豆だけに焦点を絞った方がいいと思いました。
五七五のリズムにはずいぶん、慣れてこられたと思います。
次の段階の、季語の用い方に、当分、目を配ってみてください。
############################
津高先生、ありがとうございました。
2月句会(第36回)清記です - 径
2024/02/23 (Fri) 18:18:57
お待たせしました。
2月句会の清記です。
ご自分の句に間違いがないか確かめてください。
01 磯の香やまったりゆるく春たちぬ
02 うららやか白き儒艮(ジュコン)の縫ひぐるみ
03 枯色を輝かせ春立ちにけり
04 小鳥鳴き花の香ふわり春たちぬ
05 窓辺からカスケードの雪春立ちぬ
06 ビル街に窒息気味の春休み
07 春の雨肌寒し夜人恋し
08 立春の深き雪散るスキー場
09 引き継ぎの書類積み上げ春立ちぬ
10 喉元へ伸ばす乳液春立ちぬ
11 立春は牛の出産大繁盛
12 豆煎て鬼面の龍女まつ窓
13 分岐路の伸びやかに山笑ひけり
14 立春の雨のしづかに染む田の面
15 立春やテーブルの豆見つけ朝
選句は5句。番号だけでも結構です。
2/29までに径あてメールでお送りください。
第37回兼題です♪ - 径
2024/02/21 (Wed) 16:17:27
津高先生はとてもお忙しいようなので
3月の兼題を先に発表します。
「地虫出づ(じむしいづ)」でお願いします。
地中で冬眠していた虫が穴から出てくることです。
例句
好かれやうが嫌はれやうが地虫出づ 佐藤鬼房
地虫出てすぐ戦ひのすがたなり 玉城一香
地虫出づ天地明るくなる程に 高木晴子
走り根のがんじがらめを地虫出づ 倉橋羊村
雨の玉土にころがり地虫出づ 橋本鶏二
投句は兼題+雑詠で計3~5句。
3/15までに径あてメールでお送りください。